
皮膚がん
皮膚がんについて
皮膚がんとは、皮膚にできる悪性腫瘍の総称です。中でも、基底細胞がん、有棘細胞がん、メラノーマ(悪性黒色腫)などが多くみられ、年齢が上がるほど増加傾向となります。その他に、乳房外パジェット病、メルケル細胞がん、皮膚付属器がん(汗腺がん、脂腺がん)、皮膚血管肉腫、隆起性皮膚線維肉腫などの皮膚の軟部腫瘍があります。高齢者に比較的多いため、高齢化社会を迎える今後も、皮膚がんの発生増加が予想されます。
皮膚がんかも・・と心配になったらどこを受診すればいい?
お近くの皮膚科クリニックを受診し、皮膚科専門医の熟練した視診およびダーモスコピーにより皮膚がんの疑いがあるか否か、判断してもらいます。皮膚がんが疑われたら、当院皮膚科もしくは形成外科への紹介という流れになり、まずは病変の一部を切り取って病理組織学的検査が行われる(皮膚生検)ことが多いです。疑う皮膚がんの種類、あるいは部位によっては、病変の一部ではなく、最初から全てを切除することもあります。クリニックで皮膚生検まで行い、皮膚がんの診断がついてから当院に紹介される患者さんも多いです。
皮膚がんの治療
皮膚がんの治療は、大部分は手術となりますが、がんの種類や部位によっては放射線治療を選択することもあります。既に転移がある場合は抗がん治療として、様々な薬物治療も必要となります。
皮膚がんの多くは顔面などの露光部位、つまり目に見える場所に生じるため、切除後の変形、機能障害が問題となることも多いです。当院では皮膚科と形成外科が密に連携して皮膚がんの治療を行っています。まずは、皮膚科医の正確な診断の下、安全な切除範囲を設定し、再発をなるべく防ぐよう努力しています。生じた組織欠損に対しては局所皮弁や植皮術のほか、専門的な再建手術が必要となる場合は、皮膚腫瘍外科指導医の資格も持つ形成外科医により、犠牲が最小限となるような皮弁手術を行い、美しく治すことを追求しております。また、高度な治療が必要な症例の場合も対応できるよう、九州大学病院や九州がんセンターとも密に連携していますので、ご相談ください。