糖尿病・内分泌内科 部長
堀内 俊博
教育入院や糖尿病外来に加えて、他疾患加療中の糖尿病患者治療を通して、地域医療に貢献していきたいと考えています。
原発性副甲状腺機能亢進症
甲状腺の背側にある副甲状腺から副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌され、骨や腎臓に作用してカルシウムを増やす働きをします。この病気は、副甲状腺が腫大してPTHが過剰に分泌されることで血液中のカルシウムが増加して高カルシウム血症を起こし、食欲不振、倦怠感、多飲、多尿、不整脈、腎機能障害などがみられます。また、骨や腎臓への作用によって骨折や尿路結石などが起こりやすくなります。治療の基本は、腫大した副甲状腺を摘除する手術です。何らかの理由で手術を行われなかったり術後に再発したりした場合には、内服薬による治療が行われます。以前は高Ca血症の薬として注射製剤しかありませんでしたが、今では内服薬が出てきています。このような治療によって、骨折や尿路結石などの発症リスクを低下させることができます。