副院長、膠原病内科 部長、診療管理部長、九州大学医学部 臨床教授
吉澤 誠司
関節リウマチ・膠原病は多くの疾患があり、同じ疾患でも重症度が異なります。患者さんのニーズに合わせて最新・最適な治療を心掛けています。
概要・特色
当院は日本リウマチ学会認定教育施設であり、3名の医師が診療を担当しています。関節リウマチに代表されるリウマチ性疾患や全身性エリテマトーデスなど膠原病全般について専門的な診療を行っています。保険適応となっている診療行為はほぼ全てに対応可能であり、多施設共同臨床研究や臨床治験にも積極的に参加しています。
当科を受診される患者さんの目的は、関節リウマチの診断など関節痛・関節炎の精査、抗核抗体陽性など免疫異常の精査および膠原病の診断、不明熱の精査、皮膚病変の精査など多岐にわたっています。眼科・耳鼻科・皮膚科など院内の他科から診療依頼を受けることも少なくなく、全身性疾患であるリウマチ・膠原病疾患の特色であるといえます。
関節リウマチに関しては、①関節リウマチの早期診断・早期治療 ②難治性リウマチ患者さんに対する生物学的製剤などによる積極的治療 ③合併症などで治療が困難な症例の治療など、地域の医療機関と連携して診療を行っています。また、手術が適応なる場合は、当院整形外科と連携し、人工関節置換術など必要に応じた手術療法を行っています。
膠原病に関しては、全身性エリテマトーデス(SLE)や強皮症などの「古典的膠原病」、ベーチェット病、シェーグレン症候群などの「膠原病類縁疾患」、その他にも血管炎症候群など幅広い疾患の患者さんが受診されます。従来のステロイド・免疫抑制剤を用いた治療が基本ですが、難治症例等では近年保健適応となった生物学的製剤による治療も積極的に行っています。
リウマチ・膠原病は全身疾患であり肺・心臓・腎臓など全身の臓器に障害を来たす場合が少なくありません。多くの診療科の専門医が在籍し、各診療科との連携が密である点をフルに活用し、内科の各領域の専門医や他科の医師と協力して治療が行える点は当院の特色かつ大きな利点です。 リウマチ・膠原病の専門施設として、患者さんに満足していただける医療が提供できるように努力したいと思っています。
対象疾患
リウマチ・膠原病の病気全般を対象とします。主な疾患として、以下のようなものがあります。
関節リウマチと類縁疾患 | 関節リウマチ、成人Still病、RS3PE症候群 |
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脊椎関節炎と類縁疾患 | 強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、SAPHO症候群、他 |
全身性自己免疫疾患 | 全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、他 |
血管炎 | 大動脈炎症候群、ANCA関連血管炎、他 |
自己炎症性疾患 | 家族性地中海熱、TNF受容体関連周期性症候群、他 |
その他の関節炎 | 結晶誘発性関節炎、全身性疾患に伴う関節炎 |
その他の疾患 | ベーチェット病、IgG4関連疾患、他 |
関節リウマチ診療ガイドライン2020
生物学的製剤やJAK阻害剤など新しい治療薬が開発され、医療を取り巻く環境も大きく変化してきたことから、2014年に発表されたガイドラインが改定され、2021年に発刊されました。
関節エコーを用いた関節リウマチの診断と評価
関節エコー検査は非侵襲的な検査で、関節の状態をリアルタイムで観察することができます。滑膜の肥厚や血流の増加などをこらえることで、関節リウマチの診断や評価に活用しています。
診療実績
福岡市内の数少ないリウマチ・膠原病の専門外来として、福岡市および糸島市や糟屋郡など近郊の医療機関から紹介があります。外来紹介患者数は徐々に増加しており、年間200~250名程度です。それに伴い、外来患者総数(延べ人数)が増加しており、2020年は6,087例でした。
入院患者数(延べ患者数)も年間2,500~3,000で推移しながら、徐々に増加しています。
外来担当医師
午前
月 | 河野正太郎 |
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火 | 吉澤 誠司 |
水 | 河野正太郎 |
木 | 河野正太郎 |
金 | 佐川 文彬 |