循環器内科 主任部長
増田 征剛
循環器診断部長、生理検査室室長
船越 祐子
新病院に移転後、心カテやCTなど新規の機器が導入され診療の幅が広がりました。引き続き日々の診療に頑張って参ります。
概要・特色
外来診療は原則月曜日から金曜日の午前中(急患は随時)に行っています。外来において、心電図(運動負荷心電図、24時間心電図、2週間心電図を含む)、心臓超音波検査、心筋シンチ、運動負荷心電図など各種検査を行っています。心臓超音波検査や運動負荷心電図は予約なく当日行うこともできます。
入院診療は、8CD病棟(重症症例は集中治療室(ICH, HCU)で行っております。心臓カテーテル検査、経皮的冠インターベンション、末梢動脈インターベンション、カテーテルアブレーション、ペースメーカー植え込みなどを行っております。
検査入院の場合は在院日数の短縮や週末の入退院など患者さんのご要望にお応えできるように配慮しています。
また、循環器内科は当院救急部と連携し24時間態勢で急患に対応(緊急心臓カテーテル検査を含む)しています。
対象疾患
虚血性心臓病(狭心症、心筋梗塞)、心不全、不整脈、弁膜症、深部静脈血栓症、動脈瘤、肺高血圧症、感染性心内膜炎、先天性心臓病、閉塞性動脈硬化症、睡眠時無呼吸症候群など多岐にわたり、循環器内科専門医がガイドラインに基づき診療を行っています。
虚血性心臓病(狭心症、心筋梗塞)について
心臓は筋肉の塊の臓器です。その筋肉に栄養を送る血管が心臓の表面にあります。その心臓の栄養血管のことを冠動脈と言います。その血管が狭窄を起こすと、血流が低下し心臓の筋肉が栄養不足になります。その時に胸部圧迫症状が出現します。その症状のことを狭心痛、狭心痛がある病気のことを狭心症と言います。冠動脈が完全に閉塞してしまうと栄養が全く行かなくなり心筋が壊死します。そのような疾患を心筋梗塞と言います。その場合狭窄や閉塞した冠動脈を広げる治療をする必要があります。当院では心電図、心臓超音波検査、心筋シンチなどで診断したのち、必要があれば心臓カテーテル検査を施行しています。狭くなったり詰まった冠動脈は風船やステントといった金属で広げたり、人工ダイヤモンドで削ったり(ロータブレーター治療)します。
心不全について
心臓は収縮することで全身に血液を送るポンプの働きをしています。何らかの理由でポンプ機能が損なわれると、全身に血液がうまく回らなくなり、肺に水が貯まる肺水腫を起こしたり、全身の手足が腫れる浮腫になったりします。そのことを心不全と言います。症状としては労作時の息切れや体重増加、全身倦怠などが生じてきます。その場合は強心剤や利尿剤などで治療しますが、最も大切なことはなぜポンプ機能が低下したか原因を突き止めることです。特に症状がひどい時は、入院していただき、心臓カテーテル検査(心筋生検を行うこともあります)などで原因を調べます。心不全の原因には虚血性心臓病や弁膜症、心筋症、アミロイドーシス、サルコイドーシスなど様々なものがあり、それぞれの原因に応じて治療を行なっています。
不整脈について
不整脈には脈が速くなるタイプの頻脈性不整脈、遅くなるタイプの徐脈性不整脈があります。頻脈性不整脈には心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍、心房頻拍などいろいろな種類があります。薬物治療も行いますが薬物では発作を抑えることが難しいことも多く、最近ではカテーテルアブレーションといって、不整脈の原因となる心臓の部分を特定し、高周波で焼灼する内科的手術を行うことが増えてきています。当院でも2016年からこの治療を開始し、現在では毎年100例以上行っています。徐脈性不整脈には完全房室ブロック、高度房室ブロック、洞不全症候群などがありますが、必要に応じてペースメーカー手術をおこなっています。そのほかに心室細動、心室頻拍などのいわゆる致死性不整脈という者があります。この不整脈は植え込み型除細動器の植え込みなどが必要な場合があります。その場合は市内の心臓外科のある病院(九州大学病院、九州医療センター、福岡済生会病院、福岡赤十字病院、福岡大学病院、福岡記念病院など)にお願いして手術をおこなっています。なお、不整脈の中で心房細動は脳梗塞を生じる可能性の高い不整脈として知られています(1年間で数%〜20%弱の発症の報告があります)。脳梗塞を予防するために血をサラサラにする薬(抗凝固薬)を使用することが多いです。不整脈のある方はお気軽にご相談ください。
弁膜症について
心臓には4つの部屋があります。それぞれの部屋には血液の逆流を防ぐために弁がありあます。4つの弁のうち、成人では特に大動脈弁、僧帽弁に狭窄や逆流などの不具合が生じます。弁膜症が中程度までなら、経過観察で良いことが多いのですが、高度になると治療が必要になります。以前は治療は開胸手術による弁の交換や形成術しか方法がなかったのですが、最近は大動脈弁狭窄に関してはカテーテル治療(TAVI)、僧帽弁閉鎖不全症に関してはクリップ治療(Mitraclip)という開胸せず、カテーテルで行う治療もできるようになっています。当院では心臓外科がないためこれらの治療は、当院で心臓カテーテル検査などによる評価を行ったのち九州大学病院や福岡済生会病院に紹介させていただいています。
深部静脈血栓症について
血管には動脈と静脈があります。心臓から血液が動脈を通って末梢までまわり、静脈を通って心臓に戻ってきます。下肢にも動脈と静脈がありますが、静脈のうち表面から遠い奥深く、筋肉の中を通っている静脈を深部静脈と言います。その深部静脈は血流があまり良くないので、長時間動かずにじっとしていたり、血液が固まりやすい素因をお持ちの場合(悪性疾患や先天性の素因)血栓ができることがあります。そのような状態を深部静脈血栓症と言います。軽度の場合は特に症状はなく問題ないのですが、血栓が大きくなると足が腫れて、痛みを生じたり、局所的に感染を起こすこともあります。また、血栓が肺に飛ぶと肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)を起こし、場合により生命の危機に及ぶこともあります。早期発見ができれば入院は必要なく、血をサラサラにする内服薬(抗凝固薬)で改善することが多いので、特に片側性の足の腫れがある場合はご相談ください。
外来担当医師
午前
月 | 船越 祐子 増田 征剛 |
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火 | 本田 修浩 船越 祐子 |
水 |
当番医 |
木 | 船越 祐子 増田 征剛 |
金 | 増田 征剛 児玉 泰樹 |