臨床評価指標(QI)
患者満足度
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 「この病院について総合的にはどう思われますか?」の設問に満足、やや満足と回答した外来・入院患者数 |
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分母 | 患者満足度調査に回答した外来・入院患者数 |
指標の説明
当院の外来へ通院されている患者さん、入院中の患者さんへ当院に対する満足度のアンケート調査を行った結果です。より充実した医療サービスを提供するための重要な指針となります。
死亡退院患者率
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 死亡退院患者数 |
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分母 | 退院患者数 |
指標の説明
死亡退院率は低い方が良いとされますが、入院患者の重症度等が病院で異なるためあくまで目安の数値となります。
入院患者の転倒転落発生率
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 医療安全管理室へインシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数 |
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分母 | 入院延べ患者数 |
指標の説明
入院中の患者の転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなリスク要因があります。転倒・ 転落を完全に予防することは困難ですが、その発生を可能な限り防ぐために、リスクを把握して予防に取り 組んでいます。
分母を入院延べ患者数、分子を医療安全管理室への転倒転落報告件数として計算しています。分子には、介助時および複数回の転倒・転落を含みますが、入院患者以外の転倒・転落件数は除外しています。
褥瘡発生率
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 調査期間における分母対象患者のうち、d2※以上の褥瘡の院内新規発生患者 |
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分母 | 入院延べ患者数 |
※d2 Depth(深さ)を表す分類。d2は真皮までの損傷に区分される。
指標の説明
褥瘡(いわゆる床ずれ)は、看護ケアの質評価の重要な指標の1つとなっています。褥瘡は患者のQOL(生活の質)の低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶことにより、結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります。その為、褥瘡予防対策は、提供する医療の重要な項目の1つにとらえられています。
当院はいわゆる床ずれと医療機器の使用中に圧迫され発生した創傷(医療関連機器圧迫創傷)も褥瘡に含め集計しております。
尿道留置カテーテル使用率
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 尿道留置カテーテルが挿入されている入院延べ患者数 |
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分母 | 入院延べ患者数 |
指標の説明
尿路感染症は医療関連感染の約40%を占め、そのうち80%が尿道留置カテーテル器具の使用に起因しています。不必要に挿入されていないか確認するために、入院患者にどのくらい尿道留置カテーテルが使用されているかみています。
救急車・ホットラインの応需率
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 救急車で来院した患者数 |
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分母 | 救急車受け入れ要請件数 |
指標の説明
救急受け入れ要請があったうち、当院で受け入れを行った割合です。救急医療の機能を測る指標となっています。2022年度の大幅に低下している要因として、新型コロナウイルス感染症第7波による診療制限が考えられます。
特定術式における手術開始1時間以内の予防的抗菌薬投与率
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数 |
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分母 | 特定術式の手術件数 |
指標の説明
手術1時間前に適切に抗菌薬を投与することで手術部位感染を予防できる可能性が高くなります。感染が予防できれば入院期間の延長や医療費の増大を防げます。当院における対象手術は大腸手術、人工関節(膝関節、股関節)手術、子宮全摘除術です。
特定術式における術後24時間(心臓手術は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 術後24時間以内に予防的抗菌薬投与が停止された手術件数(冠動脈バイパス手術またはそのほかの心臓手術の場合48時間以内) |
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分母 | 特定術式の手術件数 |
指標の説明
手術後1時間前に適切に抗菌薬を投与することで手術部位の感染を予防できる可能性が高くなります。感染が予防できれば入院期間の延長や医療費の増大を防げます。また24時間を超えて投与しても効果に差はなく、長期間の投与はむしろ抗菌薬耐性菌の検出やそれらの耐性菌による術後感染のリスクが高くなります。当院における対象手術は大腸手術、子宮全摘除術です。
脳梗塞患者のうち第2病日までに抗血栓療法を受けた患者の割合
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 分母のうち、第2病日までに抗血栓療法を受けた患者数 |
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分母 | 脳梗塞かTIAと診断された18歳以上の入院患者数 |
指標の説明
発症4.5時間以内でないと投与できない薬剤や、発症48時間以内の脳血栓症に有用でありその間の投与では出血性合併症が少ないと言われている薬剤があります。いずれも治療開始時間が早いほど良好な転帰が期待できると言われています。
脳梗塞患者への抗血小板薬処方割合
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 分母のうち、抗血小板薬を処方された患者数 |
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分母 | 脳梗塞かTIAと診断された18歳以上の入院患者数 |
指標の説明
非心原性脳梗塞の場合、抗血小板剤は脳梗塞の再発を有意に低減することが言われています。抗血小板剤内服の合併症として脳出血が挙げられますが、脳梗塞再発予防効果の方が脳出血発症率よりも高いと言われています。
2020年度までは退院時の処方割合として算出していましたが、2021年度より退院時に限定しない処方割合として定義を変更しています。
脳梗塞患者におけるスタチン処方割合
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 分母のうち、スタチンが投与された患者数 |
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分母 | 脳梗塞で入院した患者数 |
指標の説明
高コレステロール血症では脳梗塞の発症リスクが高くなると報告されています。そのため高脂血症治療薬であるスタチンが脳梗塞の発症予防には重要です。
2020年度までは退院時の処方割合として算出していましたが、2021年度より退院時に限定しない処方割合として定義を変更しています。
脳梗塞における入院後早期リハビリ実施患者割合
※グラフ中の全国平均値は一般社団法人日本病院会QIプロジェクト結果報告より引用
計算方法
分子 | 分母のうち、入院後早期(3日以内)に脳血管リハビリテーションが行われた患者数 |
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分母 | 脳梗塞で入院した患者数 |
指標の説明
早期リハビリを開始することにより深部静脈血栓症や肺炎、廃用性筋委縮の予防が可能であり、機能転帰の改善、日常生活動作の獲得などに有効と言われています。