緩和ケア入院を希望される方へ
- 原則的に当院で治療を受けてこられた方を対象としています。
- 事前に緩和医療内科医師との面談を受けていただきます。病状のご理解を確認したり、提供できる医療やケアの内容をご説明したりする他、入院にあたっての気がかりなどを相談いただく機会としています。
- 入院病棟は9階C病棟です。緩和ケア専用の病棟ではなく、腫瘍内科との混合病棟ですが、個室中心でプライバシーの保たれた空間でお過ごしいただけます。
- 病気による痛みや呼吸困難などの身体のつらさ、不安、抑うつ、せん妄などの精神的な症状を和らげ、患者さんとご家族の希望に沿った療養を支えます。
- 在宅療養への移行のお手伝いや、症状のコントロールのための一時的な入院を行うこともあります。
- 治療やケアの方法を選択する場合には、苦痛なく過ごしていただくことを最優先として、ご本人・ご家族と話し合って決定します。
- 病気による変化は自然の流れと捉えます。無理に引き延ばしたり、縮めたりすることはしないと考えています。
- 輸血、抗生物質、点滴、血液透析など、これまで続けてこられた治療については、お身体の状態や、これからの時間の過ごし方をご一緒に考えながら、病気の時期に応じた適切な医療を提供したいと考えています。
緩和ケア入院の基本的理念
浜の町病院の理念『病める人の身になって、心のこもった最良の医療を目指します』
浜の町病院看護部の理念『心によりそう看護』
これら当院の基本理念に緩和ケアの視点を加え、現代緩和ケアの創始者といわれるシシリー・ソンダース女史の次の言葉を当病棟の理念としています。
あなたはあなただから、大切なのです。
You matter because you are you.
あなたの人生の最後の瞬間まで
あなたは大切です。
わたしたちは
あなたが穏やかな旅立ちを迎えるだけでなく、
あなたがあなたらしく生きるお手伝いをします。
You matter to the last moment of your life,
and we will do all we can not only to help you die peacefully,
but also to live until you die.
- Dame Cicely Saunders (1918 ? 2005)
入院診療・ケアの体制について
- 緩和医療内科医師が主治医となります。
- 緩和ケアに関する経験豊富な看護師がケアを提供します。
- 当院でこれまで治療にあたってきた医師や看護師、その他のスタッフとの関係も継続できます。
- 病棟薬剤師、臨床心理士、管理栄養士の他、医療ソーシャルワーカーら地域医療連携室スタッフ、歯科衛生士、理学療法士などの多職種が関わります。
これらのメンバーが、対話を大切にしながらあなたらしく生きるお手伝いをいたします。
緩和医療内科の入院診療に関するよくある質問
Q. 入院の対象となる病気は?
A. 原則的には、治癒が望めなくなったがんの患者さんで、通院治療や在宅療養が困難となった方を対象としています。ただし、がん以外の生命を脅かす病気の患者さんも、ご病状によっては入院の対象となることがあります。
Q. 浜の町病院での治療歴はありませんが、受け入れ可能ですか?
A. 現状では、病床数や医療スタッフのマンパワーの関係から、当院でがん治療を受けてこられた方に限らせていただいています。
Q. 病名を告知していないと入院できませんか?
A.
必ずしも病名告知は必要ありませんが、「病気の治癒が望めない状態であること」「病気の自然経過を尊重して、お時間を引き伸ばすことはしないこと」の二点をご了解いただくようにしています。なお、認知症など患者さんご本人のご了解を得がたい場合には、ご家族にこの二点をご理解いただくこととしています。
Q. いずれは入院したいのですが、当面は自宅ですごしたいと思っています。対応可能でしょうか?
A.
できるだけご希望に沿った療養のかたちを提供できればと考えています。例えば当院緩和ケア外来に定期的に通院いただいたり、地域のかかりつけ医や訪問診療医と連携したりして、自宅療養を支えることができます。そして自宅療養が困難となった場合には、随時入院対応を取っています。
Q. 入院にあたって、経済的な負担はどの程度になりますか?
A.
診療費は、がん治療などと同じく医療保険制度の対象となります。これまでの入院診療とご負担は大きく変わりません。ただし個室入院となりますので、個室料(10,000円/日、税別)については、自己負担となります。なお経済的なご事情については、個別に相談することができます。
Q. 長期間の入院は可能ですか?
A. 当院は急性期病院であり、長期間の入院は困難です。ご病状が安定していて、入院が長期に及ぶことが予想される場合には、転院や自宅療養への移行をご相談することがあります。