思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult, AYA)世代とは
「AYA世代」が、どの年代を指すかについては、さまざまな定義がありますが、ここでは厚生労働省「総合的な思春期・若年成人(AYA)世代のがん対策のあり方に関する研究」班の定義に従い、「15歳以上、40歳未満」としています。
AYA世代のがん患者さんには、以下に挙げるような、世代特有のさまざまな問題があることが知られています。例えば思春期は自我を形成する時期に当たり、もともと複雑な心理的問題を抱えがちです。また、AYA世代は、進学、就職、恋愛、結婚など、さまざまなライフ・イベントを経験する時期でもあります。気持ちを分かり合える仲間の存在が少ないなどの悩みを抱えている人が多いとも言われています。
AYA世代の患者さんを取り巻くさまざまな問題
- 病気や治療の見通しへの不安
- 将来の生活設計への不安
- 外観の変化(脱毛や色素沈着など)に伴うストレス
- 家族の問題:親子、きょうだい、配偶者・パートナーとの関係性
- 友人、恋人、同僚、上司との関係性
- 就学・進学の問題
- 就労の問題
- 医療費の負担
- 社会保障の不備(介護保険は40歳以上から)
- 性・生殖の問題:生殖機能に関すること、精子・卵子保存など
- 後遺症や晩期合併症について
これらの多様な心理社会的な問題への支援を行うには、医師だけ、看護師だけといった単独の支援では十分でなく、さまざまな職種が多面的に関わることが求められます。当院では、AYA世代の患者さんのニーズに応じた医療を提供するため、ご希望に応じて専門のサポートスタッフが相談支援を行っています。
AYA世代のがん患者さんの支援について、もっと詳しく知りたい、具体的な困りごとを相談したい、という場合には、当院がん相談支援センターへお声がけください。