がんゲノム外来
浜の町病院では、がん患者さんのがん細胞のがんに関わる遺伝子の変化を調べる「がん遺伝子パネル検査」を実施しています。
1.がん遺伝子パネル検査とは
浜の町病院は、2023年にがんゲノム医療連携病院に指定され、保険診療としてがんゲノム医療を開始しました。 がんゲノム医療とは、「がん遺伝子パネル検査」による遺伝子解析を用いて、患者さん個々人のがん細胞の遺伝子の変化を調べ、その結果に基づいて有効性が期待されるがん治療を見つける新しいがん医療です。「がん遺伝子パネル検査」では、手術などで採取した患者さんのがん組織や血液からDNAを取り出し、シークエンサーと呼ばれる機器でがんに関わる数百の遺伝子を一度に解析して、個々人のがんの遺伝子の変化を調べます。現在、保険診療で下記の「がん遺伝子パネル検査」を行っています。 ※ 自由診療でのがん遺伝子パネル検査は実施していません。
- FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル
- FoundationOne® Liquid CDx がんゲノムプロファイル
- OncoGuideNCC™オンコパネルシステム
2.がん遺伝子パネル検査の保険適応
がん遺伝子パネル検査の保険適応となる患者さん(下記の要件を満たす方)
① 標準治療がない固形がんの患者さん(例;不明がんや希少がんの患者さん)
または
標準治療が終了した(終了見込みを含む)固形がんの患者さん
② 全身状態が良好な方
*全身状態から「入院療養」が必要な患者さんには適用がありません。
③ 遺伝子パネル検査に提出できる病理検体(採取後3年以内)がある、または再採取が可能な方。(FoundationOne® Liquid CDx で検査を希望する場合、③は不要)
3.がん遺伝子パネル検査の費用
検査料:56万円(通常の保険診療3割負担の場合は16.8万円)
*保険診療に沿い、通常2回(検査提出、結果説明時)に分けて費用が請求されます。また、検査料に、別途「診察料」などが加算されます。
*「高額療養費制度」の対象となる場合があります。
4.がん遺伝子パネル検査の利点と限界
この検査の結果、今後の治療に役立つ情報が得られる可能性があります。しかし、この検査を受けた方のうち、検査結果に基づいた治療が受けられるのは約10%と報告されています。検査に用いた検体の品質・量によっては、検査自体が不成功に終わる可能性もあります。また、薬剤が見つかっても、以下のような場合には治療法として選択できないことがあります。
- 日本国内では販売が承認されていない薬剤の場合
- 患者さんのがんへの適応が認められていない薬剤の場合
- 参加条件を満たさない臨床試験・治験でのみ使用されている薬剤の場合
5.受診方法
がんゲノム外来
毎週水曜日13:00- 担当医師:腫瘍内科 草場仁志
1,当院でがん治療中の方へ
診療科の主治医にご相談ください。
2,他医療機関でがん治療中の方へ
がんゲノム外来は完全予約制となっております。現在通院中の主治医に相談し、主治医から予約していただく必要があります。
3,他医療機関の先生へ
お申し込みを希望される場合は、以下の書類を地域医療連携課までFAXにてお送りください。申し込みを確認後、受診日を調整し改めて地域医療連携課よりご連絡させていただきます。
2 回目の受診日に必要なもの(患者さんがご持参いただいて結構です)
・腫瘍組織の病理ブロック
または 未染スライド:5μm 厚さで 15~20 枚+HE スライド1枚
4,FAX送付先・問い合わせ先
浜の町病院 地域医療連携課
FAX:0120-721-991
電話番号:0120-721-990