卵巣がんの症状は?
卵巣は骨盤内にある臓器で、卵巣に腫瘍ができても小さいうちは無症状のことが多いです。卵巣腫瘍が捻転したり破裂した場合には痛みを生じることがありますが、多くの場合では症状を伴いません。腫瘍が大きくなると骨盤の中に収まらなくなり、下腹部のしこりとして触知するようになります。お腹の中でがんの転移が起こると、腹水を生じて急速に腹囲が増大することがあります。
検査・診断
1.婦人科診察と超音波検査
卵巣腫瘍の大きさ、性状、周囲との癒着の有無を調べます。
2.画像診断
CT検査やMRI検査で腫瘍の性状(嚢胞性か充実性か、内溶液は液体か脂肪成分か血液成分かなど)を調べます。
3.腫瘍マーカー検査
腫瘍が産生する蛋白質を血液検査で測定します。しかし卵巣腫瘍の良悪性に関して腫瘍マーカー検査の精度は、さほど高くはありません。
治療法
手術療法が主体ですが、その他に化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法があります。病状に応じて、これらの治療法を選択します。
卵巣腫瘍はお腹の中に存在するので、そのままでは組織検査を行うことができません。手術で体の外へ摘出して初めて組織検査が可能となり、腫瘍の良悪性が判別できるようになります。卵巣がんが疑われる場合には、腫瘍を摘出して迅速組織検査を行い、手術中に良悪性を判断します。悪性腫瘍であれば、腹部の切開を延長して、がんとしての術式へ移行します。摘出した組織の病理検査によって組織型・進行期を診断し、必要に応じて適切な追加治療を選択します。
若年者の卵巣がんに対しては、妊孕能を温存した術式を選択することもあります。