幹細胞分離
造血肝細胞移植は骨髄移植・末梢血肝細胞移植・臍帯血移植があります。2002年、臨床検査部に幹細胞分離室を新設し、同年12月より業務を開始しました。業績は年間約50例です。電子カルテと連携した造血幹細胞移植システムを導入し、細胞調整・保管・支給を行っています。移植の際は、輸血用血液製剤と同様に患者認証を行い、安全な移植を行っています。
幹細胞分離業務
大型冷却遠心器
幹細胞と血漿
無菌接合装置
クリーンベンチ
ディープフリーザー
(末梢血造血幹細胞保管庫)
移植製剤ラベル
液体窒素式臍帯血保存容器
細胞分離は大型冷却遠心機を用い、調整は無菌操作をクリーンベンチ内で行います。末梢血幹細胞は凍害保護剤を加え、-83℃のディープフリーザーで保管します。
その他に細胞治療としてドナーリンパ球輸注の細胞分離業務を行っています。2016年4月からはGVHD(移植片対宿主病)に対し、ヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞(テムセルHS注)の保管・細胞調整・支給も行っています。
患者さんに移植される細胞が対象になりますので、分離業務を行う機器の保守管理を行い、担当医とコンタクトを取りながら迅速かつ安全に業務に取り組んでいます。
体外受精
体外受精では、妊娠率を上げるため排卵誘発剤で卵巣を刺激し、一度に複数の卵子を成熟させます。成熟した卵子を卵巣から取り出し、卵子と精子を体外で受精させ、細胞分裂したことを確認してから子宮に胚を移植します。
受精を体外で行う点から、顕微授精も体外受精に含まれます。1つの精子を極細のガラス管に吸引して、卵子の細胞質内に直接注入するのがICSI(イクシー)です。この顕微授精により、これまで妊娠が難しいとされてきた重度の男性不妊や受精障害でも妊娠にいたるケースが増えてきました。
1回の採卵、受精、培養で多くの胚が育った場合にはその胚を凍結させて保存し、次周期以降に融解を行い、移植することができます。このような凍結技術の進歩により、新たな可能性が広がりました。
胚培養士による顕微授精
顕微授精(拡大写真)