細菌検査
同定・薬剤感受性パネル
自動測定装置
同定パネル
血液培養装置
細菌検査は発熱や下痢などの症状があり、細菌感染が疑われる場合に行います。原因となる菌を見つけ出し、適切な薬剤を判定して治療に役立てます。
まず、患者さんから採取した検査材料(喀痰など)の塗抹検査を行い、原因菌の推定を行います。感染症の原因菌がわかる場合はすぐに医師に連絡します。そのあと、培養検査、細菌自動測定機器を使用し、菌名同定・薬剤感受性検査を行っています。
塗抹検査
大腸菌
1000倍
黄色ブドウ球菌
1000倍
クリプトコッカス
墨汁染色 1000倍
検査材料をスライドガラスに塗抹染色し、鏡検します。
感染の原因となる細菌を推定します。
培養検査
安全キャビネット
黄色ブドウ球菌
コロニーの周りに卵黄反応
がみられます
緑膿菌
緑色の色素を産生するのが特徴です
検査材料を培地に塗布し、ふらん器に入れ、細菌を発育させます。細菌は増殖し、図のような数mmの塊(コロニー)を形成します。そのコロニーを使って、同定・薬剤感受性検査を行います。また、結核菌など抗酸菌検査においては、N95マスクを着用し、安全キャビネット内で作業を行っています。
細菌検査室の役割とICT活動
年々薬剤に抵抗性を持った耐性菌が問題となっています。
細菌検査室は、細菌の検出状況が一番に把握できる部署として、特に耐性菌には注意しています。院内で設定している監視菌が検出された場合は、すぐに関連部署に連絡します。
この度、細菌検査システムに連携した感染制御システムが導入され、全職員に監視菌情報を提供しています。
当院では院内感染対策チーム(ICT)を中心に院内伝播を未然に防ぐことを目的として活動しています。臨床検査技師もチームの一員となり、週1回のICT会議や院内ラウンドを行っています。
また、地域ネットワークや全国サーベイランス事業にも参加し、耐性菌や感染症発生情報の把握に努めています。